テレクラ女の肉体は性の財宝が眠る宝島だった

テレクラを使うはずもないようなハイクラスの女性がテレクラを使っていて、しかも、私のような人間の即アポに快く応じてくれたというわけだ。
何をどう間違えてテレクラに漂流してしまったのか、その道筋はさっぱりわからないのだが、ツーショットダイヤルで回線が繋がったのは、まさかの「社長令嬢」だった。
社長令嬢と聞いて、当然ながら最初は冗談かと思ったし、クルーザーを所有しているという話を聞いたときなどはさすがに笑ってしまった。
もちろん、彼女が社長令嬢であるということを証明する手段はないのだし、待ち合わせ場所で合流してから見せてもらったクルーザーの写真なども、誰かのクルーザーの前で勝手に記念撮影したものなのかもしれない。
それでも、自分は「クルーザーを所有しているような金持ちの社長令嬢であることを心から信じる」という姿勢をとることにしたし、真偽はさておき、そんな女性をテレクラで口説き落として即ハメした、という風に思い込んだ方が、人生もいくらか楽しかろうと判断したのである。
そうと決まれば、私の「思い込む力」はとどまることを知らず、テレクラ女性と自分が即ハメをするホテルの個室も、あっという間に海の上を走る船の一室に早変わりだ。
黒タイツと桃色のパンティの奥、宝島の財宝のごとく秘し隠されている社長令嬢の陰部からはほのかな潮の香りが漂ってくるようであったし、気がつくと、潮風を浴びながら私もいつの間にか片足の海賊になっていたのではなかったか。
私のギンギンに勃起した陰茎はいわば船首であり、「きたるべき海洋冒険セックスの大航海へむけて面舵いっぱい!」という威勢のよい声が、先走り汁がにじみはじめた亀頭の先端から聞こえてくるような感覚にとらわれもしたのだし、いきりたった私の陰茎は、というと、恥ずかしながら極度の右曲がりである。
その航海のプロセスにこそロマンがあると言わざるをえない濃厚な前戯、女体の地図をまさぐり小さな冒険譚のエピソードを幾重にも積み重ねながら、一隻の船が通り抜けるのがやっとか、と思われるほどの狭い洞窟の入り口、神秘と財宝が隠された入り口に、船首はやがてたどりつき、その船体を慎重にねじ込んでいく。
テレクラ女性のオマンコの最深部への射精というクライマックスに確実に船をすすめながら、私の心のなかでは、老獪な海賊と、はじめての冒険の感動に打ち震える少年が同居しており、射精の瞬間、金銀財宝が放つまばゆい光にそれぞれの顔面が照らされていたのだった。