テレクラ女性の卑猥な身体のあらゆるパーツがセックスに目覚める

ツーショットダイヤルで繋がった男性と出会うことを決意したのは、テレクラ女性の膣や乳房だけであったのかもしれない。
膣や乳を起点とした欲望に促されるままに、テレクラ女性は、膣や乳房だけが彼女の身体から離脱して浮遊するというような怪奇なやり方ではなくて、当たり前ではあるが、膣や乳房を身体の一部として所有してもいる全体的な身体として私の前へと現れることになった。
だが、彼女を待ち合わせ場所に運んできた足の、ピンヒールに窮屈に包まれた指先の爪や、よく手入れの行き届いた毛先になるほどに彼女の意識が希薄になっていくようである焦げ茶の髪の一本一本などは、果たして、「出会いたい」などと考えていたのだろうか。
膣や乳房や脳などの「セックスがしたい」という欲望とは関係なく、おそらくセックスのことなど考えることなどほとんどないであろう彼女のつま先や髪の毛は、セックスをする身体の一部としてセックスに知らず知らずのうちに加担し、むしろ、ときには膣や乳房以上に興奮を露わにするような表情を見せることさえある。
シックスナインの体勢になったテレクラ女性は、性行為を手と口で遂行しながら、彼女のつきだされた尻の割れ目におしあてられた私の顔面の様々な突起によって尻穴や膣口周辺からの刺激を受け取ることになる。
だが、彼女のスレンダーでありながら肉感的な「尻たぶ」や「太股」、四つん這いになるために折り曲げられた「膝」によって直線的な軌道を変更されて伸びる「ふくらはぎ」、枕のうえに添えられた「すね」や「足の甲」や「指先」といったパーツは、末端に向かうほどに性的な活動をしているという自覚を失ってぼんやりと投げ出されているばかりに見える。
かと思えば、私の舌の刺激にともなって、性的なものとは無縁であるかのような顔をしていた彼女の足の末端である指先がピクリと性的刺激に反応を返すような瞬間も垣間見え、こんな場所にまで戦火が迫ることはないだろうと思って安堵していた疎開先が不意に爆撃されたかのような動揺をみせもする。
すると、テレクラ女性の身体のなかでそれぞれ孤立していたパーツが、孤立しながら同時に関連しあってもいたことを初めて知った、というような驚きの顔を互いに見合わせるのである。
まさか、遠い地平で陰茎をくわえている口と、「私」、口と「私」の中間地点で舐め倒されているヴァギナ、彼女たちと「私」が、まさか同じ身体の一部だったなんて!そんな驚きに満ちた声を、「はねあがる」というわずかなアクションでもって、フェラチオに興じながら同時にヴァギナを舐められてもいるテレクラ女性の「つま先」があげる。
騎乗位で激しく突き上げられるテレクラ女性の揺れる乳房、そのこぶりな胸の上でぷっくりとふくれあがる彼女の乳暈や乳首たちと、彼女の流れ落ちるストレートの髪の毛が、ピストン運動によって揺れ動きながら触れ合うとき、彼女たちは、つまり、彼女たちの身体のパーツたちは、それぞれの出会いとたえまない摩擦でもって語り合いをはじめる。
風に吹かれるままに揺れ動くばかりだった髪の毛の先端たちは、自分たちもセックスをしているのだ、という目覚めとともに、性行為をする葦として考えはじめ、陰茎をしめつける膣のように毛根を締めつけて、一本一本の無数の髪たちが途端にさざめく。
騎乗位から正常位に移行するにあたって、彼女の乳房との接触を繰り返していた彼女の髪の毛たちは、枕と彼女の背中とに押しつぶされて彼女の乳房と断絶することになるのだが、しかし、性的な乱れのなかで性行為を行うパーツと化した彼女の髪の毛は間近で叫ばれる彼女の喘ぎ声に刺激されるようにますます毛根を締めつけるのだし、彼女の無数の毛根が締まりつつある音をヴァギナに挿入した私のペニスが、彼女のヴァギナの強烈な締めつけを通して轟音として聞き取ることにもなる。
私の陰茎から放出された精液と、彼女の膣内から膣外に向けて分泌された体液が混じり合いながら彼女の膣口から流れ落ちるとき、その二つの液体は、私の身体の一部でも彼女の身体の一部でもありながら二人の身体のどちらにも所属していない液体として垂れ落ちることにもなるのだが、エクスタシー直後の緊張の緩和によってすっかり気を抜いたようである彼女の毛根はというと、はらりと数本の髪の毛を白いシーツの上に落とすのであって、白いシーツの上でドローイングを描いていた彼女から離れた髪の毛たちを、はたして、彼女の髪の毛と言ってもよいのだろうか。